■特別寄稿 天笠啓祐さん バイオ燃料ブームと生活者の視点
■物理学者 広瀬立成さん ゴミとの闘いを語る
■国民投票法 成立! 今、なぜ急いで?!
▼市民活動訪問記
「NPO法人 たがやす」 「冒険遊び場 たぬき山」
☆元気です 元町田市議会議員の近況報告
〜町田市議会議員 吉村こずえの市議会レポート〜
◇第2回定例会 一般質問より
■日本語指導が必要な児童生徒とその保護者を支援するための
仕組みづくりを求めて
■路線バスの車イス対応の改善を求めて
| ■特別寄稿 ■ 環境にやさしいとのうたい文句で登場したバイオ燃料は、本当に環境にやさしいのでしょうか?世界の食糧事情を悪化させている上に、遺伝子組換え技術が導入され環境破壊につながることが危惧されています。科学ジャーナリスト 天笠啓祐さんに原稿をお寄せいただきました。 |
バイオ燃料ブームと生活者の視点
地球温暖化防止の切り札として、バイオ燃料がブームになっている。ところがこの燃料は大変効率が悪く、日本の耕地471万ha(04年)のすべてをトウモロコシ畑にしても1000万キロリットル程度しか生産できず、コメの場合はさらに悪く750万キロリットル程度しか生産できない。
日本のガソリン・軽油消費量が約1億キロリットルであるからそのわずか10分の1である。そのため食料と競合して問題になっている。現在、石油業界がバイオエタノールを3%入れたガソリンを販売し始めた。これによって二酸化炭素が3%減るかというと、そうはいかない。
現在、トウモロコシからエタノール1.1リットルをつくるのに石油が1リットル必要だからである。
生活者の視点に立てば、二酸化炭素を減らすのはわけのないことである。自動車を減らす、スーパーやコンビニの24時間営業を止める、自動販売機をなくすなど、経済活動を縮小すればよいのである。拡大させようとするとバイオ燃料のような代替案が必要になり、さらに矛盾も拡大する。
バイオ燃料はさらに矛盾を拡大しようとしている。食料との競合で評判が悪いことから、各国政府・企業はいま、廃材や古紙などのセルロースからつくる「第二世代」への移行を図っているからである。
さらに効率の悪いセルロースからつくるのであるから、遺伝子組み換え技術に頼るしかない。まず、セルロースを分解して糖質に変えたり、糖質を発酵させてエタノールをつくる際に用いる細菌や酵母を遺伝子組み換え技術で改良することで、エネルギーやコストの削減につなげようとしている。
林木育種センターが開発したセルロースを増やした遺伝子組み換え樹木も今年から茨城県で栽培試験が始まる。ミシガン州立大学の研究チームは、セルロースを分解する酵素のセルラーゼ遺伝子を導入したトウモロコシを開発した。そうすればセルロースを分解する必要がなくなるという。
もしこの遺伝子が働くと栽培中でもセルロースが分解されトウモロコシが崩壊することになる。そうならないように、温泉にすむ細菌から取り出し、高温ではじめて働き始める遺伝子を用いたというのだが、異常気象になったらと思うとゾッとする。
石油メジャーのBP社も、米デュポン社、カリフォルニア大学バークレー校の研究チームと組み、遺伝子組み換え技術でトウモロコシの茎を利用してセルロースからエタノールを作り出そうとしている。バイオ燃料ブームが、環境破壊を拡大しかねない状況になってきた。
生活者の視点に立って、素朴に考えれば解決策は簡単に見つかる。町田・生活者ネットワークがこれまで堅持してきた生活者の視点こそ、環境問題で最も大切なものといえる。
(科学ジャーナリスト・遺伝子組換え食品はいらない!キャンペーン代表)
| 物理学者 広瀬立成さん ゴミとの闘いを語る |
地元、町田市小山田で8年間、ゴミ問題にかかわってきた早稲田大学理工学術院総合研究所の広瀬立成さんに今年4月に刊行された著書についてお話を伺いました。
吉村 広瀬さんの著書『物理学者、ゴミと闘う』(講談社現代新書)に書かれた「もったいない十訓」にとても共感しました。
広瀬 それは60〜70年代の高度成長時代にアメリカで発表された企業十訓の逆を言ったものです。日本の企業も戦略十訓として盛んに使っていました。大量生産・大量消費・大量廃棄という20世紀先進国の政策が、環境破壊や温暖化のもととなった。
これは現在も情報化社会の中で巧妙に拡大し、強化されています。市場経済最優先で、経済成長促進が国策の最大課題となっているが、これを変えないといけないのです。「もったいない十訓」はこれからの社会のあり方を示唆しています。
幸せには物質からと自然から受けるサービス(恩恵)があります。今日の都市化は自然から受けるサービスが極度に抑えつけられ、いびつになっています。
人々は精神的不安をかかえて、時間貧乏に陥っているのです。
今こそ本来人間の求める幸せとは何かについて真剣に考え、ライフスタイルを変えていかなければなりません。これからはただ政治家に任せるのではなく、市民がしっかり真実を見守っていかなければならない市民の時代です。
吉村 それは市民自治をめざす私たちにとってたいへん心強いお言葉です。私たちは食の安全や子どもたちの教育、ゴミ問題などで、市民の活動が世の中を変えていくと思っています。本文の中に「ゴミ」と「エントロピー」について書かれていますが。
広瀬 エントロピーとは「エネルギー(熱)と物質をいっしょ(同等)にして、自然現象を記述する概念」で、150年程前にクライジウスが自然界の動きをエントロピー増大の法則と規定したのです。「熱も物質も時間がたつと拡散していく」ということをエントロピーが増大するといったのです。
たとえば水の中に一滴のインクを落とすと拡がっていくように。自然物は変化する時、熱を発生する。その熱はたまっては困るので水の循環によって、宇宙へ放出され拡散します。宇宙空間が生命活動で発生する莫大な熱を
受け入れることができるというのが生命の星、地球を成り立たせている
要因です。
ところが大量生産・大量消費・大量廃棄の現代社会の生活は、許容量を越えたケタ外れの温暖化ガスを発生させ、熱の放出を阻害しています。さらに、ゴミの焼却や埋め立ては有害物質の蓄積となり、物質循環を妨げ環境悪化を招いています。
人工物(プラスティックなど)は廃棄量が少なかった時代には問題にならなかったが、微量な有害物質も長期に排出されれば、生物濃縮(食物連鎖)を招き、未来世代に影響を残す恐れがあります。物質不滅の法則から考えると、微量な物質でも長期に廃棄し続けることによる影響を考えていかないといけない。
日本の環境基準は安全の根拠が曖昧なものが多い。正確な情報、資料をもとに最終的に市民が判断することが大切です。市民は利害から離れたところで、真実を語れるからです。生活者ネットのこれからの活動に期待しています。
吉村 今日は貴重なお話をありがとうございました。
| もったいない10訓 | 戦略10訓 |
| 1 もっと使わない | 1 もっと使わせろ |
| 2 捨てない | 2 捨てさせろ |
| 3 無駄遣いしない | 3 無駄遣いさせろ |
| 4 季節を忘れない | 4 季節を忘れさせろ |
| 5 贈り物をしない | 5 贈り物をさせろ |
| 6 組合わせて買わない | 6 組合わせて買わせろ |
| 7 きっかけに投じない | 7 きっかけに投じろ |
| 8 流行遅れにしない | 8 流行遅れにさせろ |
| 9 気安く買わない | 9 気安く買わせろ |
| 10 混乱を作り出さない | 10 混乱を作り出せ |
| 国民投票法 成立! 今、なぜ急いで !? |
国民投票法は、国民にじっくり考えさせる時間もないままに、強行採決で成立。私たちは次の2つについて問題提起します。
問題点1 この法律によれば、投票に行った人の過半数が賛成すれば、憲法が変えられます。(投票率が50%のとき、国民の25%で改正が可能に!)私たちは、すべての有権者の過半数が賛成した時、改正されるべきと考えます。
問題点2 憲法は、国家をしばり、国民を守るものです。時の権力、政府の側から、憲法を変える提案をすべきではないと、私たちは考えます。国民の側から改正が必要と発意があった時に限りなされるべきです。
| 市民活動訪問記 |
町田の農地を守る 「NPO法人 たがやす」
「市民が農作業にかかわることで町田の農地と緑を守りたい」との思いで 02年、NPO法人たがやす
が設立されました。高齢化や人手不足の農家に、農作業をやりたいという市民との間をコーディネートする事業を進めています。定年後の男性を中心に、会員20名(うち農家2軒)からスタートし現在、会員91名(農家15軒)となりました。05年からは援農者を育成するため、地元農家を講師に、農業について学ぶ町田市市民研修農園を開講。
都内の基幹農業従事者の半数が65才以上という中で、支援を望む農家は増えています。1時間500円の有償ボランティアですが、収穫や出荷作業、堆肥散布に除草の手伝いと、決して楽な作業ではありません。援農者が足りず、やりくりが大変という状況が続いています。活動を続ける中、町田の耕作放棄農地を市民の力で復活させることもできました。
同法人は「農地を守りたい」という思いを共有する仲間が、世代を越えておしゃべりできる交流の場にもなっています。
詳しくはhttp://homepage3.nifty.com/npo-tagayasu/へ!! 042-727-1202
子どもの自由な遊び場 「冒険遊び場 たぬき山」
自分の責任で自由に遊べる場「三ッ又冒険遊び場たぬき山」を訪ねました。そこは竹と雑木の山を市民の手で開いた自然味あふれる遊び場で、工具を使って基地作りをする子、かまどで火起こしをする子、どろだんご作りに夢中な子、鬼ごっこを始めた子どもたちはプレーリーダー(20代の若者)と一緒に園内を駆け回っていました。
子どもたちの生き生きした目、のびのびした様子、自分自身で遊びを考え、挑戦する姿を見ていると、月に10日(水・土・第3日曜)しか開かれていないことが残念に思われました。ボランティアの大野浩子さんによると「周辺への配慮をしながら、できれば毎日開催したいのですが、ボランティア(常時2名以上)の担い手とプレーリーダー謝金をいかに確保するかが課題。
今年は市の補助金と民間助成金が昨年並には得られず、プレーリーダーを1名減らすことになりました。」とのこと。こうした活動を継続させ、他地域にも広げていくためには、市民の協力とさらなる行政の支援が必要と感じました。
詳しくは、http://www.tanuki-yama.com/へ!
| 元気です! 元町田市議会議員 近況報告 |
生活者ネットワークの議員は、ローテーション(原則2期で交代)します。
その後は、地域で経験を生かして活躍しいます。元議員の3人の近況報告です。
鱒沢▼ 94年にローテーションして早13年です。今の世の中はいやな時代のように思います。異常な事件の続発、食の不安や環境破壊の加速、いつか来た道を思わせる憲法改悪の顕著な動き、最も大切な平和・文化・福祉―「生」をないがしろにする政治が強行されています。
このことを大切にしてきたネット活動は今こそ重要不可欠な運動で、応援する思いはいっぱいです。ネットはいつも時代を先取りしてきました。あの時(82年)町田で思い切って代理人運動をスタートさせ、本当に良かったと改めて思います。年をとっても仲間への思いは尽きません。
今は老々介護に追われる毎日ですが、若い仲間にバトンタッチでき、エネルギッシュな活動が拡大、継続されていることに感謝し、熱いエールを送ります
川島▼3期12年間の議員経験を通して、社会の制度やしくみが新たな不安、不自由を生み出していることを実感しました。ローテーション後、様々な専門知識、経験を積んだサポーターグループで、市民の「困っています」という声に対応する「よろずまちづくり交差点」を結成して活動しています。
私たちは今、刺激の多い社会、フラストレーションが蓄積し続ける社会に生きています。あふれる情報の中で、何を基準にどれを選ぶのか、判断力、応用力が問われます。今後は、日常の偏見や差別を助長している世界の経済のしくみを、女性や若い世代の人たちと、学習する場をつくりたいと考えています。
中西▼今年からネットの事務局長をしています。ぜひ事務所にお立ち寄りください。
| 市議会議員 吉村こずえの市議会レポート 第2回定例会〜一般質問より〜 |
1 日本語指導が必要な児童生徒とその保護者を支援するための
仕組みづくりを求めて
海外から来日または帰国し、日本語がわからない児童生徒に対しては、教育センターのコーディネートで日常会話習得のため
60 時間の範囲内で指導が行われています。 しかし、それだけでは学習活動ができるまでの日本語能力を身につけることが難しく、いじめや不登校などの問題が起きています。
また、日本語がわからない保護者への支援も十分ではありません。学校のおたよりがわからずコミュニケーション不足では親としてお子さんを支えることができません。そこで以下の質問をしました。
@日常会話だけでなく教科学習にもついていける日本語能力を身につけさせるために「日本語教室」を設置すべきでは?
A日本語がわからない保護者を支援すべきでは?
B中学生の受験指導を積極的に支援しようとしている市民グループや、多言語の対応のために他市との連携を強化すべきでは?
担当部長の答弁は
@今年は小中学生15名が国際交流センターから週2回(1回2時間)約3ヶ月、日本語指導補助者(有償ボランティア)の派遣を受けている。(※編集部注
正確にはボランティアセンターを介しボランティア団体町田にほんごスクールネットから派遣)日本語教室の設置条件は児童生徒10名以上なので、状況を見ながら研究し検討していきたい。
A保護者に対しては、担任が個々に対応している学校もある。
B多種多様な言語に人員配置は難しい。学校ごとに国際交流センターとの連携を深め、近隣市と人材確保のためのネットワーク作りを研究していきたい。
以上のように、教育委員会は、担任まかせ、ボランティアまかせで、消極的な答弁に終始しました。他市では8カ国語対応の冊子が配られたりしています。子どもたちのニーズに対応した支援体制を教育委員会が責任を持って整えるべきです。
今後も市民グループの皆さんとともにねばり強く改善提案を続けていきます
2 路線バスの車イス対応の改善を求めて
車イスでバス通学した高校生の体験から、神奈中バスの車イス対応は、運転手によって差が大きいことがわかりました。他社のバスと乗り比べてみたところ、他社ではきちんと対応ができていました。
質問に先立ち、生活者ネットでは6月1日、神奈中大和営業所に「車イス対応の改善を求める要望書」を提出。車イス対応の手順を具体的に記しました。ところが営業所で示された「運転手のための行動マニュアル」には、私たちが要望したことと全く同じ手順が記載されており、他社ではこれが既に徹底されいたことがわかりました。
このマニュアルに基づき研修を実施するよう改めて求め、副所長さんより「改善に努力する」との回答を得ることができました。
この事実をもとに、議会で一般質問しました。
交通マスタープラン推進委員会の路線バス分科会には、バス会社3社、障がい者団体等の代表も入っています。しかし車イス対応ができていない実態があることを指摘し、改善を働きかけるよう求めました。
また、バス会社と市民の懇談の場を設け、積極的に市民の声を届けることを提案しました。