NO.85

2004年4月25発行

■生活安全条例施行

市議会レポート
◇川島龍子: 子どもたちの食の安全性を求めて
◇石井恵子: 市民自治基本条例の制定に向けて
住宅政策の方向性を

◇行政報告から・・・・・公共施設の利用料の値上げラッシュ
◇「町田市原爆被爆者見舞金の支給に関する条例を廃止する条例」
に反対しました。

新市庁舎建設は何を目指すのか

福祉予算を垣間見る

生活安全条例施行

隣は何をする人?の社会からやさしい近隣関係を構築できる社会へ

町田市では、引ったくり、空き巣、強盗などが増え、治安の悪化を懸念する声が大きくなっています。そんな中、4月より「町田市生活安全条例」が施行されました。

「市民・行政・事業者が一体となって自分たちのまちは自分たちで守る」理念を定めた条例によって、どのような施策が実施されるのでしょうか。

■期待される市民の自主的活動

「町田市生活安全条例」は、市民に安全を意識してもらい、防犯のための自主的な活動を促し、安心して暮らせる地域社会を作っていくという目的でつくられました。この条例は、犯罪を防ぐための施策を行う際の指針となるもので、市民生活全般にわたって規定される条例とな

っていますが、千代田区のようなたばこのポイ捨て禁止区域の設定など市民のモラルに関係するようなことは、市モラルにまかせ、防犯を目的とした施策を進めていきます。


「我が町の防犯マップづくり」の例
簡単な地図でも、地域で作ることが防犯につながる

■全市的な協議会を設定

条例を受け、町田市役所市民部に「安全対策課」が新設され、市民の生活安全意識の啓発、犯罪等を防止するための市民の自主的な活動を支援します。

 また、安心・安全を目的とした具体的な施策を協議する「生活安全協議会」が設立されました。これは、生活に関わりの深い団体で組織された委員会と幹事会からなり、全市的な活動を目指します。

○委員会(約20名)
 市内の官公庁、民間団体の代表で構成され、基本方針を決めます。構成団体は、教育委員会、警察、消防、保健所、郵便局、自治会、商店会連合会、町田青年会議所、保育園、幼稚園、企業として東京電力、まちづくり公社など。

○幹事会(約40名)
 委員会の方針に基づき具体策を検討し、実践的活動を行います。幹事会団体の他に、小中学校、乗用旅客自動車協会(タクシー関係)、ロータリークラブ、ライオンズクラブ、新聞販売同業組合(新聞配達)など

■近隣との人間関係が基本

今、町の中で自転車などに防犯パトロールと書いたステッカーを付けて走っているお母さん方を見かけます。そのような地域の防犯活動に必要な用品の購入費を補助したり、また、国の緊急雇用特別補助金制度を使って、法人格を持つ自治会やNPOが行うモデル地域の防犯

活動を支援します。他に、道路管理課では、道路へはみ出して商品を置く店舗を指導すると共に、協力員制度をつくり、風俗店などの捨てカンバンを撤去します。

 様々な施策が4月より実践されますが、現在の隣人の顔も知らない、人間関係の希薄な地域社会から、見張り合いではなく、優しい声かけで良好な近隣関係に転換していきたいものです。「自分たちのまちは自分たちで守る」一つの方法として、例えば「わが町の防犯マップづくり」をしてみませんか。

市議会レポート 一般質問より

市議会議員 川島龍子

子どもたちの食の安全性を求めて

10年前、市長は、中学校給食は実現不可能との判断でしたが、働く母親が増えたことなどから、弁当持参が困難な子どもたちのための施策が必要との方針が5年前に打ち出されました。

生活者ネットでは生活クラブ生協と共同で「中学校給食を考える会」を作り、市が取組む内容を検証しました。弁当派と給食派が議論し、市に給食と弁当併用を要望することになりました。

その間、市は様々な試行と、給食事業にかかる経費の試算などを行ってきました。その結果「学校給食法」に基づく内容では、調理・配送・配膳・食器回収の全てを委託で行っても高額な経費になることがわかりました。

しかし、子どもたちに安心安全な食を提供するために、あくまでも「学校給食法」から逸脱することは許されないとしながら、市は「弁当併用外注方式」を提案し、弁当持参の割合を50%と試算しています。

今年1月に、一定の基準を満たした「学校給食問題協議会」の計画案が示され、弁当派の親たちからも、楽になる給食を選択したいとの声が多く聞かれるようになりました。

しかし一方で、業者による弁当を、行政がどこまで管理できるのか、不安がつきないこともあり、地域貢献型コミュニティビジネスの展開を学校給食にとり入れられないかという観点で、生活者ネットでは、市長に提案することになりました。

足立区では、「私たちの子どもが通う学校の給食だから私たちでやろう」と地域の商店街の有志が株式会社を設立し、地域に根ざしたコミュニティビジネスを展開しています。既に学校給食事業は、小・中10校、保育園2園にまで広がり、地元商店街活性化の一翼を担い働く場、生きがいづくりとしても期待されるようになりました。

町田市でも、「利益ではなく地域貢献を目的とする」事業者育成を行い学校給食を地域ぐるみで取組み、子どもたちの健全育成に貢献する地域の人を増やしていく、という考えはできないか、市長に質問しました。

しかし、研究の余地はあるとしながらも、早期実施が先決であるとの答弁でした。今後ネットとしては、財政上、民間への委託化で管理体制が不備にならない配慮を願い、中学校給食が子どもたちのために実施されることを強く要求していきます。

学校給食法 (昭和29年制定)

目的:児童・生徒の心身の健全な発達と国民の食生活の改善。

目標: 1.日常生活における食事について、正しい理解と望ましい習慣を養う。 2.学校生活を豊かにし、明るい社交性を養う。 3.食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図る。 4.食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導く。

市議会議員 石井恵子

市民自治基本条例の制定に向けて

2002年12月議会から二度目の市民自治基本条例についての一般質問です。その後の進捗状況と今後のスケジュールについて伺いました。

「庁内のワーキングチーム9名で基礎的な調査研究検討を行っているところであるが、実効性のある条例にしていきたい。また、市長の任期中にはまとめたい。」との答弁がありました。これは、議会活動の一つの成果だと大変感激しています。

自治基本条例は、最高規範であり、「町田の憲法」となるものです。この条例こそ、「私たちがつくった」という自主憲法にすることが大事です。この条例により、自治体が変わり、国が動かされて、変わっていくでしょう。

そのような自治基本条例制定運動が今、全国に広がっています。市民、議会、行政と共にこの条例をつくり上げていきましょう。市民自治の第一歩として、条例制定のための各イベントにご参加ください。

住宅政策の方向性を

住宅政策は、イギリスで19世紀に始まりました。誰がこういうことを言い出したかと申しますと、お医者さんです。住宅事情が悪いと病気がなかなか治らないということがわかりました。これは社会全体の損失であるということで、住宅政策とか都市計画が始まりました。

 2004年度町田市の予算では、住宅改良助成が実施されるようになりました。耐震診断、耐震補強補助、改良助成へと住宅政策が充実してきています。市営住宅の建て替え・管理に特化した「市営住宅行政」から、市民の住生活を支援する「総合的な住宅行政」に転換が図られようとしているところです。

2010年を目途にした、「町田市住宅マスタープラン」が作成されていますが、住宅ストックの活用、地球環境にやさしい住まいづくり、NPO等との協働などが新たに盛り込まれた「東京都住宅マスタープラン」との整合性を図り、町田の住宅政策の方向性を整理しておく必要があると考え、質問をしました。

「町田市も、マスタープランをつくるということではないが、集合住宅の立替を念頭に置いた住宅政策を検討していきたい」との答弁がありました。

 せっかくの町田市の住宅政策も知らない方が多いので、町田市のホームページをもっと充実させることも必要だと提案しました。今年の予算書から、住宅に関する項目を抽出しましたので、参考にして下さい。

▼’04年度予算書から住宅費関連の歳出枠を抜粋(単位:千円)

住宅費 高齢者福祉費
住宅維持管理費 69,394 住宅改修アドバイザー会議謝礼 210




木造住宅耐震改修
調査委託料
1,800 住宅改修指導事業委託料 13,740
利子補給金 1,911 高齢者住宅設備改修事業者
研修委託料
900
木造住宅耐震診断
助成金
1,500 東京都住宅バリアフリー
推進協議会負担金
50
住宅改良助成金 14,000 住宅改修支援事業補助金 160
住宅改良資金損失補償金 1 高齢者住宅設備改修給付金
(都制度)
72,017
合計 19,212 高齢者住宅事業費 69,993


行政報告から

■公共施設の利用料の値上げラッシュ

 行財政改革の流れによる受益者負担のあり方が1997年から検討され、市民意識調査で約7割の支持があるとの結果を受けて、市民センター・市民フォーラムなどの会議室の利用料が値上げされてきました

今会議では、体育施設や青少年施設・版画美術館の市民展示室・公民館講堂の値上げについて審査されました。市の説明では、各施設に相当なランニングコストがかかっており、若干の負担をしてもらいたいとのことでした。また、高齢者や青少年については、減免措置があり、

近隣市との格差を無くす必要もあるとの考えで、賛成しました。町田・生活者ネットの今後の課題は、負担に関する情報提供を積極的に求め、行政サービスの質を高めることです。

「町田市原子爆弾被爆者見舞金の支給に関する
条例を廃止する条例」に反対しました。

この条例は、被爆者への見舞金であると共に、「戦争の悲惨さを忘れない、平和を守る」という意味も含んでいます。「非核平和都市宣言」都市であり、平和の精神を象徴するこの条例を持っていることは、町田市の誇りであり、これこそ「町田らしさ」であることを確信し、この条例廃止に反対しました。

しかし、多数で可決され、‘02年実績311人の見舞金は廃止になります。町田・生活者ネットでは、市の「平和」を求める新たな取組みを提案していきます。

新庁舎建設は何を目指すのか

新市庁舎移転先が、3月定例議会で出席者の3分の2を超える賛成多数で特別議決され、森野2丁目用地に確定しました。
 7〜8年後には新市庁舎の竣工を目指し具体的検討に取組む段取りになりましたが、検討開始当初から竣工まで、21年余の歳月が費やされることになります。

 移転の主な理由、背景、検討経緯等については、4月11日付「広報まちだ 第2部『庁舎問題特集号』」の町田市庁舎問題検討委員会「最終報告」で説明されていますが、ここでは、新たな観点から見据えることとします。

 現在、地方自治のあり方について多方面から新たな変革が叫ばれていますが、その底流にあるのは「市民自治」と「協働」の精神です。市庁舎及びその支所機能の再構築は、単なる「箱物」の建設ではなく、まさに、新たな市民自治コンセプトの骨格を形作るものであり、市民、行政、議会が共に市政に取り組む機会と場を提供するものといえます。

 速やかな実現を期待しますが、その実行に当っては、財政負担を出来るだけ軽減しながら、いかに進めるかという点に特に留意しなければならないと考えます。

 税収減、諸予算の一部カット、サービスコスト負担増等が避けられない昨今、新市庁舎建設に、なぜ多くの資金を投入するのかとの疑問もあります。しかし、市庁舎機能を維持するために、現在、分散市庁舎賃借料・管理料、老朽化する現庁舎の改修費等として年間7〜8億円

出費しています。このまま庁舎の分散化を続けると、20年間で140〜160億円にもなり、まさに、新市庁舎建設投資にも匹敵する経費負担に耐え続けなければなりません。
 この点からも、新たなコンセプトに沿った新市庁舎の速やかな構築が求められます。

 長い間、新市庁舎問題の議論を続けて来ましたが、未だ具体的な設計方針(デザインベース)の本格的検討はなされていません。その主な理由の一つには、新市庁舎用地が不確定だったことがあるといえます

 上述「最終報告」の4ページ第5項「新庁舎計画の今後の検討について」では、将来の町田市政の骨組みとなる重要課題の検討に取組む必要が強調されています。

用地が決議され、今ようやく、「市庁舎の目指すところ」に向かって、皆で本格的にその第一歩を踏み出す機会が整ったものと言えるのではないでしょうか。

福祉予算を垣間見る

平成16年度の予算が本議会で可決されました。
 15年度と16年度民生費予算書を比較したとき、廃止を含め見直しがされた項目は64項目になります。例えば、原爆被爆者見舞金や高齢者入院見舞金支給制度(後者は5月31日をもって廃止)は15年度をもって廃止となりました。

ただし、すべてが廃止というわけではなく代替する制度へ移行したものもあります。例えば、点字図書購入費助成事業は、日常生活用具給付事業となりました。また一方で新たな福祉政策も行われています。例えば、障がい者の一般就労に向けた「支援センタ設置」など福祉の充実が図られています。

 このように一方で廃止・縮小が行われ、また一方では新たな福祉政策が行われています。こうした見直しは、社会的ニーズの変化に対応して新たな福祉社会を構築していく上で重要だと考えられます。

 町田市の財政状況が厳しい中、町田市単独での事業の多くが廃止となっています。長引く不況の中、財政政策は「選択と集中の時代」になったと言われています。次世代へ何を廃止して何を残していくべきなのでしょうか。

見直しをする制度は「削減し易い制度から・・・」というのではなく将来に向けたビジョンが必要です。削減対象である当事者の声は市政には届いているのでしょうか。明確なビジョンに基づいて、当事者の不安を取り除けるような総合的な福祉政策が望まれます。

 また同時に私たち市民が行政をチェックしていく「生活者からの視点」が必要なのではないでしょうか。