No.88

2005年1月21日発行

町田の緑地を見つめなおす
確保も保全もお金が掛かる


市議会レポート
◆川島龍子◆
指定管理者制度は不安定労働者を作り出す?
自分を見失わず介護を続けるために必要な介護者への支援とは

井恵子◆
予算書・決算書をわかりやすく
体操タイムで元気な職場づくりを
福祉サービス第三者評価

常任委員会トピックス
2005年3月 新設校「小山が丘小学校」開校
◇子どもセンター次の設置場所は?


請願から
◇斜面地における建築物の建築制限等に関する条例について

新庁舎建設基本計画策定へ


今後の障がい者福祉施策 グランドデザインを垣間見る

町田の緑地を見つめなおす
確保も保全もお金が掛かる

■市が購入しないと減り続ける緑地

相次ぐ宅地開発で、緑地は年々減り続けています。町田市では1999年に制定した「緑の基本計画」の中で、2010年度に、面積約2450ha、市域の約34%の緑地(公園、公有緑地の他、風致地区、企業グランド、大学キャンパス、ゴルフ場等を含む)を確保することを目標にしており、毎年市の保有する公園、緑地用地を増やしています。

また、隣接する横浜市、川崎市とも協力し、市東部の尾根沿いに連なる緑地確保を目指すなど、取得する緑地の質にも配慮しています。以前は、庭園や遊具を備えた整備された公園が多く造られました。これからは現在整備中の相原中央公園のように、元の緑地を改変しない公園を増やす計画です。一方、“農あるまちづくり”の観点からみどりの確保を目指して「北部丘陵のまちづくり基本構想」の策定も検討されています。

 公園・緑地確保に必要な資金は、市では一部「緑地保全基金」(現残高約25億円)として毎年積み立てていますが、多くの場合、三分の一は国の補助金によりまかなわれ、三分の二が市債(75%)と基金(25%)に拠っており、基金は全体の約17%を占めているに過ぎません。

相続税対策で国に“物納”という形で確保した緑地用地の場合、地価の下落で市の取得コストは10年前の半分以下の負担で済むようになってはいますが決して安い買い物ではありませんし、資金枠にも限界があります。公園の半数以上は大規模開発の代償として市に提供された狭小なものです。

企業・個人の所有する緑地は、売却によって減少しています。また緑地対象外の生産緑地などの民有緑地は、資材置き場になったり、不法投棄の温床になるおそれもあります。

町田市の保有する公園と緑地'04年4月1日現在
町田市の総面積 7,162ha
公園 453ヵ所 167.9ha
緑地 181ヵ所 93.0ha
260.9ha
土地取得状況('03年度実績)
面積 4.9ha
費用 16.7億円
管理費('04年度予算) 9.5億円


■民間活力を引き出すために

公園・緑地は市の予算だけでは管理が手薄になります。草刈りなどの簡単な管理作業は、自治会、子ども会などの近所の住民の方々が行っているところもあります。市では、更に市民参加を期待して、昨年から、緑地の管理方法を学ぶ講座を実施しています。

 広い面積を占める民有地も緑地として残せるなら、「緑の基本計画」が実現できるでしょう。それには、地権者と生産者の理解が不可欠です。市内には緑地保全を目的に多くの団体が活動しています。しかし、ボランテイアで出来る活動には限界があります。このような団体に対して行政の支援が必要です。

 保全や管理というと堅苦しいイメージがありますが、近所の人たちと落ち葉掻きや、草刈などで汗を流してはどうでしょうか。東京・生活者ネットでは「百年構想で緑のネットワークをつくり、風の道を確保する」政策を提案し、東京の“二つの温暖化”(地球温暖化とヒートアイランド現象)防止の具体策を進めていきたいと考えます。

市議会レポート 一般質問より

市議会議員 川島龍子

指定管理者制度は不安定労働者を作り出す?
民間活力導入で人件費や管理経費の節減による施設の低料金化、民間の発想によるサービス向上などを期待して「指定管理者制度」導入の施設が町田市の公共施設管理運営に徐々に広がり始めています。管理者としてNPO法人や民間団体も参入しており、この制度についての町田市の指針が、市民・NPOとの協働・パートナーシップを位置づけているかどうか見極める必要があります。

 今回の質問は指定管理者の指定期間に制限がないことに焦点をあてました。指定期間には、1〜3年の短期間のものから10〜20年単位のものまでさまざまです。町田市はとりあえず3年を指定しています。この短期間の運営では不安定な労働者を作りだすという懸念が生じます。そこでNPO法人運営の働き方を調査してみると、市場の労働対価より低コストで、行政の委託料の削減に左右されながらも働き手との十分な話し合いを経て、公益的な社会サービス提供の理念に基づいた新たな働き方がうまれていました。

さらに利用者の満足度調査も行われていて、これまでの公共施設の管理運営のあり方、働き方の意義が問われます。指定管理者制度はまだまだ多くの課題をかかえたままスタートしました。今後もネットはその課題を追いかけていきます。

自分を見失わず続けるための介護者への支援と

介護保険制度はこれまでの家族介護に依存する形から、介護を社会的に支える形への転換を人々の意識改革とともに強力に進められてきました。しかし一方で施設介護依存から在宅介護への移行が推進されるという政策的課題も提示され、私たちは公的責任の範囲、私的責任の範囲について常に議論する必要があったと思います。

 昨年介護者についての実態調査を行った際、介護者が自分を見失わないで、ゆとりのある介護を続けられる環境を作り出すことが、介護される側にとってもよい介護生活を続けられるとの結果を得ました。介護保険利用で介護者の生活はゆとりができた、と一定の評価がなされていました。しかし、家庭で、家族として介護を担当している人には、決まった休日も、病気になった時の交代要員もなかなか確保できないのが現実です。

市の介護者支援の施策は要介護者を施設に入所させる「ショートステイ」だけです。このサービスは必要なときに利用しにくいという評価もあり、介護者を支援するという新たな施策が必要だと考え、一般質問しました。行政も地域の見守りネットワークの充実を提案していましたが、生活者ネットとしては介護の経験者を地域のサポーターとして要請できるしくみの必要性を提案しました。

市議会議員 石井恵子

予算書・決算書をわかりやすく

 師走になりますと、いつも本屋さんの店頭には、家計簿、または家計簿付の雑誌がたくさん並びます。それだけ、家計簿をつけている方が多いということです。節約上手やりくり上手の主婦は家事経営がしっかりできるということです。私はこのような方たちに町田の財政に関心をもっていただきたいと従前から思っていました。

 あきる野市では、主にお母さんたちが集まって手づくりの「あきる野白書」をつくりました。私たちの税金がどのように使われたのか、決算で評価し、その中から取捨選択をして次年度、予算につなげていく。分権時代の予算制度に求められていることは、税金即ち市民の共同の財布の中味を市民がチェックし、より必要性の高い施策に予算をつけていくことです。そのようなことができるようにするためにも、町田市の財政がもう少しわかりやすくなる必要があります。

予算書作成までのスケジュール、予算書・決算書のスタイルの決定基準、クロス集計作成(目的別・性質別予算編成)の検討、マトリックス予算作成(テーマ別予算編成)の検討などの、予算の情報公開、透明性、わかりやすさ、身近さを実現するための方法を問いました。わかりやすい予算書づくりを通して行政の説明責任と予算編成過程への市民参加がますます問われています。


体操タイムで元気な職場づくりを

 
市役所の中で、パソコンを使っている職員が最近多くなりました。禁煙対策も非常に徹底され、タバコを吸われる職員は、かなりストレスがたまると思います。そこで、「市役所内で、午後3時などに館内放送で。音楽を流し、3分から5分程度のストレッチや軽い体操ができるようにして下さい」という提案をしました。

体操タイムを設けることによって、作業能率の向上、職員健康管理に結びつきます。町田市職員が健康で、元気に働くことができるということは、町田市全体にとってもプラスになることです。職場環境によって、取り入れていきたいとの答弁でした。

福祉サービス第三者評価

 障がい者施設をはじめ痴呆性グループホームや、特別養護老人ホームを訪れたことがありますが、これらの施設で働く方たちは、情熱やミッションを持って働いています。親や家族は、施設と対等なのですが、不満や苦情について発言しにくく立場が弱いと感じてしまいます。

そこで「第三者が施設に入って施設を見て、評価して、改善を求める」というこの制度を町田市としても今後推進する必要があります。町田市は、第三者評価を受けた施設数はまだまだ少ないので、成果としてまだわからないといった状況でした。

 今後もこの制度の推進を求めて提案していきたいものです。

常任委員会トピックス

◆2005年3月 新設校「小川が丘小学校」開校
12月補正予算に机や椅子などの消耗品費、落成式予算等も計上され、新しい学校が誕生します。一方で30年以上の経年数の小中学校の耐震対策も進んでいますが、財政難のあおりで計画が遅れるところもでています。学校設備は児童・生徒にとっての教育設備であると同時に、重要な地域財産としての活用が望まれることから、リニューアルの際の設備機器整備は拡大するばかりです。学校・地域が耐震補強のチャンスにグレードアップを要求してくる、というのが担当所管の最大の悩みのようです。
 
子どもセンター次の設置場所は?
 12月議会で、市長は、鶴川地区の次は相原地区でその後忠生地区、中町地区に設置していくと発言しました。子どもの居場所づくりが、活発化していますが、その前に学校施設開放の検討が現在すすめられていることにも注目していく必要があります。

請願から

◆斜面地における建築物の建築制限等に関する条例について
 建物のコストダウンを狙って開発業者が目をつけた斜面地における事実上の“中高層マンション”となる「地下室マンション」方式建築を規制する条例化の請願。

 現時点では特に玉川学園地域在住者からの要望が強いが、今後更に成瀬や能ヶ谷地域をはじめ町田市全域に渡って注目しなければならない課題となっています。既に、横浜市、川崎市、横須賀市、日野市、世田谷区では条例化され景観も含むまちづくりの観点から多くの住民の関心が高まっています。

 この請願は12月議会で賛成多数で採択されました。
 未だにIBM跡地マンション問題でなお苦しみの続く玉川学園地域在住者の請願が採択されたことを極めて重く受け止めなくてはなりません。今後は時機を見失わないように速やかな条例化を求めて積極的に働きかけていきます。

新庁舎建設基本計画策定へ

新庁舎移転候補地として森野2丁目用地が議決されてから、早くも1年近く経ちました。その間、市民と行政は新庁舎建設基本計画策定委員会において、それぞれ市民部会と職員部会に分かれて具体的な検討を進める一方、議員は新庁舎建設等に関する調査特別委員会において、鋭意議論を進めています。

 併せて百人近い関係者が熱心に計画造りに取り組んで来ましたが、昨年12月にはそれぞれ中間的なまとめも終わり、遅くとも3月中には新庁舎建設基本計画策定委員会において全体の最終基本計画案が報告される予定です。

3月議会以降この基本計画案が実行に移される見込みで、いよいよ建設の第一歩を踏み出すことになります。基本設計、実施設計、入札・業者選定、建設工事を経て数年後には竣工の段取りですが、ここで、新庁舎建設の意義を改めて次の通り考えたいと思います。

・新市庁舎を建設することは新たな時代の新たな市民参画の場を確保することであろうと考えます。
・新たな場は、市民、行政そして議員が一体となった「協働」の具体的な 取り組みによって初めて得られ実現するものと考えられます。
・「協働」が理解され活性化し軌道に乗るには、何よりも市民、行政、議員が気軽に参画し計画段階から話の出来る共通の機会と場がなくてはなりません。

 最新鋭の地震対策技術の採用、分庁舎に拠っていたこれまでの業務分散化の解消、利便性や諸サービスの向上等々は当然実現されなればなりません。
 ほぼ五十年に一度の大投資に当たって財政負担のやりくりには最大限の留意をしなければなりませんが、将来に向かって新たな視野に立った政治の仕組みを創る決意を何よりも忘れるわけには行きません。
 一人ひとりが、この新庁舎建設の過程をそのような観点からいつまでも注意深く見つめ続けようではありませんか。

今後の障がい者福祉施策
グランドデザインを垣間見る

昨年の10月12日に社会保障審議会障がい者部会で「今後の障がい福祉施策の改革(グランドデザイン案)」が示されました。そして今後の障がい保健福祉施策の基本的な視点として、
・障がい保健福祉施策の総合化
・自立支援システムへの転換 
・制度の持続可能性の確保

 といった三点が挙げられています。この三点を基本とした概要に関しては、一見問題がないようにみえます。しかしこのグランドデザインの具体的内容を見てみると自立支援というよりも障がい者へのサービスを抑制して歳出を抑えていこうとする意図が見えてきます。これでは障がい者は地域で暮らせていくことができません。

 今回の改革案ではとりわけ「応益的負担の導入」(介護保険でいう一割負担)は大きな問題を含んでいます。介護保険対象の高齢者と異なり多くの若年障がい者は資産を形成していません。資産形成のない障がい者の多くにとって応能負担(所得に応じた負担)はサービス抑制圧力が大変大きいと考えられます。

 現在の障がい者支援費制度では応能負担です。その理由は、まだまだ障がい者の就労の場が少なく応益負担では必要なサービスが受けられないからでした。応能負担へ移行していくならば、まずは障がい者の社会参加への環境整備が先決であると考えます。

 さらに支援費制度では応能負担の対象から障がい当事者の両親がはずされました。これにより支援費制度のサービスが大変利用しやすくなったといわれていますが、実質的に家族の支払い負担が増大することになり、支援費制度の施行以前に逆戻りしてしまう可能性があります
。またもしも家族が負担を嫌ってサービスを利用しなければ「家族介護」となり自立支援とはかけ離れたものになりかねません。

 今年は、町田市で「地域福祉計画」が策定されます。このグランドデザインの内容は障がい者福祉施策の歴史的転換となりうる可能性があり、また町田市の地域福祉計画策定にも大きな影響があるといえるでしょう。