No.90

2005年7月28日発行

地域を元気にするコミュニティビジネス
◇安心して豊かに過ごせる空間を! 

市議会レポート ◆川島龍子◆
◇大型団地は「負の遺産?か」
成人病化に悩む集合住宅の評価を吹き飛ばそう

◇市民に開かれた「地域包括支援センター」をつくろう

補正予算あれこれ
総合コールセンター開設準備委託料 21,676千円

◇集積所パトロール委託料 1,786千円

市民の自治をあきらめない!

◇2005年度都議選を終えて

<投稿>

障害者自立支援法案では自立はできません
◇自立を阻害する法案だ!

文部省が提唱する「子どもの居場所づくり推進事業」とは

地域を元気にするコミュニティビジネス
安心して豊かに過ごせる空間を!

コミュニティビジネスは「地域が抱える課題を協力して解決しよう」という地域住民の自発的な動機が原点です。地域の仲間が支えあう生活に根ざしたモノやサービスの供給を通じて、これまで気がつかなかった隠れた人材がイキイキとしてきます。

職住接近だったら子育ても介護にもゆとりができますし、安心して豊かな気持ちで過ごせる空間が得られます。ゆくゆくは利益をコミュニティに還元して、地域の再生と活性化を目指し、地域雇用にも貢献できます。
 
「企業組合ワーカーズコレクティブ凡」の長続きの秘密は何か

事業持続のキーポイントの一つは環境変化への柔軟な対応のできるビジネス感覚です。町田市では先駆者が多方面にわたって見られます。地域の野菜の供給、高齢者介護、子育て経験者の保育事業、IT活用事業等々が、よく話題に上りますが、長続きしている一つの事例として、「企業組合ワーカーズコレクティブ凡」の存在を忘れることができません。

 21年前に発足し、現在小野路町で約3千8百万円の出資金をベースに企業組合として今日に至っています。現在ジャム、シロップの製造販売が主体で事業高は約1億2千万円/年と安定しています。組合員14名が事業主です。

組合員の固い結束に加えて、もったいない精神による野菜類の有効活用をはじめ、事業者として地域の需要を、しっかり把握してきたと言えます。自立した、自己実現できる価値ある場になっています。

最近、町田市で行った「コミュニティビジネス意識調査」を見ると、多くは主たる収入源を事業収入によっていますが、実態は、安定経営には補助金が一部の支えになっているようです。開業後間がなく、基礎固めの段階がやや不安定のようです。

 行政を頼りにし過ぎてはいけませんが、創業当初の支えになるような、何らかのサポート体制が必要だと思います。


地域の課題解決は新たな社会変革の原動力だ

これまでの行政ではすみずみまで行き届かなかった課題に、自発的に取り組む市民が増えています。コミュニティビジネスは、豊かで安心できる新たな経済社会の仕組み作りの第一歩となるのではないでしょうか。


市議会レポート 一般質問より

市議会議員 川島龍子

大型団地は「負の遺産か?」
成人病化に悩む集合住宅の評価を吹き飛ばそう

町田市内の団地のほとんどが、築30〜40年を経過しています。公団公社の町田市の総人口は約5万人。かつては、ニューファミリー所帯のあこがれのコンパクトな住宅形態だった団地は、古くて狭くて画一的で、若い世代には魅力を欠く、高齢者にはエレベーター設置も望めない、住み続けられないレッテルがはられてしまいました。

平成15年「町田市の団地白書 21」がまとめられ、少子・高齢化、建物の老朽化、空き室増加、商店街の空き店舗増加などの問題を浮き彫りにしました。それでも家賃は高くなり、補修、修繕の回数も頻繁で、共益費も下がることはありません。

現在の家賃は、5〜8万位で、立て替え後はさらに高くなるとの試算で、町田市での公団公社の立て替えは難しいとの判断のようです。住民の年齢はかつての40代の働き盛りから、年金生活者、定年間近の世代となり、現在、夫婦、一人所帯が半分以上を占めているのが実態です。

昨年国が公団住宅の民営化を決定し、「都市再生機構」が設立されました。団地運営についてはこれまで通り、公的住宅政策が義務づけられ、地方自治体も高齢所帯及び子育て所帯その他の住宅に困窮する人たちのための住宅として居住安定の取り組みをすすめなければならないとなっています。

大型団地の最大のバリアは家賃!

6月議会で「団地白書21」にとりあげられた問題解決のために「都市機構」との話し合いを積極的にすすめてほしいと要望しました。大型団地の最大のバリアは家賃、居住福祉の考え方(福祉は住居にはじまり住居におわる)が団地政策にもりこまれることを5万人の団地住民は願っています。

市民に開かれた
「地域包括支援センター」をつくろう

介護保険制度改定に「地域包括支援センター」創設という国の提案が示されました。介護度1及び2の認定者のサービス提供を絞り込んで、介護予防に移行させようとのねらいがみえます。この「地域包括支援センター」というのはどういう機能をもっているのか6月議会で質問しました。
1.)総合的な相談窓口機能、
2.)介護予防マネジメント機能
3.)包括的継続的マネジメントの支援機能をもつということでした

町田市の「地域包括支援センター」についての見解は、介護予防の重点化すなわち「新・予防給付の実施」、地域における総合的なマネジメント機能をもつとの説明でした。地域の包括的な支援となれば、障がい者や子育ての支援機能も含むか、との質問では、否定的でした。また、市民の役割については、「運営協議会」の設置で検討されるとの答えでした。

生活者ネットでは、行政主導の制度運用ではなく、私たちが生活圏としてきた地域の主体性・自発性を最大限活用したシステムへと転換する提案をおこなってきました。サービスの質も負担のあり方も、市民が意見をだし、自立支援、尊厳の保持をめざしてきたわけですから、制度改革に市民がどれだけ参入しているかを常に検証してきました。

今回の制度改正にも市民案を市長に提案し、市民参加のNPO法人の運営主体という形で様々な成果をあげています。しかし厳しい財政のあおりで、利用者負担は増大しつつあり、「利用者本位」「サービスの質の向上」が置き去りにされるとの指摘もされています。

町田市は新たな「支援センター」を設置するのではなく、地域の「在宅介護支援センター」を「包括支援センター」に移行していく考えです。生活者ネットでは、介護予防マネジメント機能が確実に実施されることはもちろん、あくまでも高齢者の「自立支援」をめざした制度確立に取り組んでいきたいと考えます。

補正予算あれこれ

総合コールセンター開設準備委託料 21,676千円
 職員業務の効率化を目的に、年々増加している市民相談や問い合わせの電話受付を一本化していくための予算が計上されました。民間企業の「コールセンター」のノウハウを応用するとのことです。

ネットとして、「今、市民の電話相談は、行政運営を市民感覚で対処するための重要な情報提供者だと考える。コールセンターが単に効率性だけで開設されるのではなく、職員の研修、行政サービスの向上につながるシステムとして活用されること」を期待します。

集積所パトロール委託料 1,786千円
 ゴミ有料化実施に伴い、不法投棄という新たな問題を想定した対策費です。戸別収集が始まれば確実に責任の所在が明確になり、ルール違反の是正につながるでしょう。

しかし団地などの集合住宅は、これまで通り集積所収集なので、違反者の特定が難しくなり不法投棄の心配をしています。集合住宅を抱える地域では、独自の対策を検討しようと必死です。そういう地域にこそ支援してほしいと思うのですが・・・。

市民の自治をあきらめない!
2005年度都議選を終えて

7月3日2005年度の都議選は終わりました。史上2番目の低投票率43.7%。東京生活者ネット公認候補は、都内10地区で、多様な当事者の声を反映することと、議員提案権の獲得をめざして闘いました。結果は3人の当選にとどまりました。

杉並・世田谷両選挙区では、ネットの政治理念であるローテーションも果たせませんでした。

 環境や子育て、介護など生活の現場からの訴えより、既成政党の国会議員の訴えばかりがめだって、ネットの言葉はかき消されてしまいました。東京全体の総得票数は、約18万票で、前回よりネットの知名度は拡がったといえます。

10人の候補者は、人々の暮らしや地域を無視してきたこれまでの政治のつけを何とか「やりなおそう」と唱えました。巨大都市東京。弱者が切り捨てられていく、女性の人権は踏みにじられ、子どもも高齢者も不安の真っ直中。

今こそネットの政治を躍進させるときでしたが。 しかし私たちは諦めません。 18万人の支持を力に、ネバー、ギブ アップ!市民力を磨いて次に備えましょう

<投稿>耕作放棄しないで

新鮮な地場野菜が人気です。しかし、町田の農地は減り続けています。農業者が田畑を残したくても、農作業の人手が足りず維持できないからです。そこで、「農作業受託ネットワークNPO法人たがやす」(以下「たがやす」)は、農作業の人材派遣事業を行い、今では9.3haの農地維持に役立っています。

一方、町田市が保有する公園緑地261haの'05年度の整備管理予算は25億円でした。1haあたりに換算すると年間958万円になります。もし「たがやす」のような農業支援で、町田の農業が産業として継続できるなら、現在の農地382ha分の保全費用37億円は使わず、緑地を維持できることになります。

かなうものなら、田畑に良質な水と空気を供給する山林の維持も、農業公園や、エコツアーなどで産業化できればと思います。

障害者自立支援法案では自立はできません

自立を阻害する法案だ!
急速な障害者福祉サービスの利用増加によって二年連続で予算不足となった障がい者支援費制度に変わり、障害者自立支援法という法案が今国会の厚生労働委員会で可決されました。

 厚生労働委員会の審議中、野党からは法案に関する提出データの誤り(改ざん)、応益負担(利用者一割負担)の論拠の不十分さなどが再三指摘されており、採択の延期が求められていました。野党側および障害者が見守る傍聴席からは野次や怒号が渦巻く委員室で与党・政府は淡々と議事を進行し、採決に至りました。

データのミス(改ざん)や障がい当事者からの反対の声を無視し続ける与党議員・政府の姿を目の当たりにし、怒りや虚しさ悲しみを禁じ得えませんでした。 この法案の中身は、自立支援という言葉とは大きく乖離しており、むしろ「障がい者自立阻害法だ!」という批判もあります。

ここでは、その一つの例としてこの法案の理念とも言うべき第一条にある「自立支援法の目的」内容を紹介します。

 障害者自立支援法の第一条の「自立支援法の目的」には「障がい者及び障がい児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができる」とあります。こうした表現、とりわけ下線部は、障がい児の分離教育を進める際に使われてきました。

一見もっともらしい表現ですが、重度な障がい者ほど不利となり、地域で暮らすことができなくなるという懸念があります。支援費制度には「障がいの程度ではなく生活実態に即してサービスを支給する」とあり、当事者の「自己選択・自己決定」および「社会参加」という言葉が使われていますが、今回の法案にはそういった言葉がありません。

障がい当事者や学識者からは「この法律で、はたして必要な人に必要なだけサービスが提供されるのか」という疑問の声が出ています。

 この法案に当事者からの意志が反映されていないのは、支援費制度とは異なって、制度策定に当たって当事者を交えて十分な議論をしなかったことが挙げられます。数名の厚生労働省のキャリア組によって早急に作成されたと言われています。

 昨年の障害者基本法の改正で「自立への努力」(旧第六条)が削除されました。自立支援法は、このような改正点を踏まえているとは言えません。障害者自立支援法では、むしろ地域から隔離されてしまいます。本来ならばこの障害者自立支援法で障がい者が地域で生きる権利をまず保障するべきです。

 今国会でこうした点が修正されずに法案が本会議で可決されれば来年からは「理念無き」福祉サービスが始まってしまいます。

文科省が提唱する
「子どもの居場所づくり推進事業」とは?

子どもたちが身近な場所で安心して放課後や休日を過ごせるよう、学校や公共施設を「子どもの居場所」として開放しよう、という事業が平成16年度より3年間の予定で行われており、今年度は全国で88億円(うち町田市で 488万円)の予算が計上されています。

これは、少子化やゲームの普及により異年齢の子や地域の大人との関わりが希薄になっている今、地域の力で子どもたちを育むことが必要であるとの考えが具体化したもので、事業の一つである「地域子ども教室」には今年度町田市内では8団体が参加しています。

成瀬台子ども教室では、主に学校施設を利用して6グループが活動展開する中で、空き教室を利用した「あそびにおいでよ」という自由遊び場が成瀬中央小学校でリニューアルされました。工作・囲碁・将棋・読書(マンガあり)・卓球など、有志の保護者スタッフが子どもと一緒に遊びながら安全を見守ります。

 誰でも参加できること、遊びの先輩である地域の大人と子どもたちが交流を持てることから毎回盛況です。
子どもが本当に安心できる居場所でありつづけるためには息の長い活動が必要であり、平成19年度以降の予算措置がぜひとも必要です。