■バリアフリーのまちづくり その1
車イスでのバス利用〜高校生の体験から見えたこと〜
〜町田市議会議員 吉村こずえの市議会レポート〜
◇3月議会 一般質問より
■市民活動を財政的に支援するため「市民ファンド」の創設を
■町田市役所に女性管理職登用を
| ■バリアフリーのまちづくり その1 車イスでのバス利用 高校生の体験から見えたこと |
年をとって身体が不自由になったり、事故や病気で障がいをもつことは誰にでも起こりうることです。昨年、突然の病気で歩行困難と
なった高校生のK子さんは、バスと電車を乗り継ぎ通学することになりました。ところが、バスの運転手の中には、車イスの固定方法
さえわからない人もいました。K子さんの体験をもとに路線バスのバリアフリーについて検証しました。
車イスへの対応方法 知識のないバスの運転手
都立高校2年のK子さんが突然の病気で歩行困難となったのは昨年9月。当初は通学をあきらめていましたが、担任の先生や友人の励ましもあり車イスで通学することを決意しました。
その路線には、段差があって車イスのままでは乗れないバスと、ステップの下にスロープが収納されていて車イスごと乗れるバスの両方が走っています。K子さんは、2台に1台は来るスロープ付きバスを待って乗るようにしました。
ところが初めて乗ったバスでは、後部ドアに装備されているスロープの引き出し方、車イス用スペースの座席のたたみ方、床に埋め込まれている金具に車イスをベルトで固定する方法等について、運転手にほとんど知識がなく、車イスが傾いたまま無理やり固定しようと悪戦苦闘。後続のバスの運転手があわてて駆けつけ、やっと固定できました。
バスは30分も遅れ、他の乗客の迷惑そうな視線に、K子さんと母親はひたすら頭を下げるばかり。しかし運転手から乗客へ謝罪のアナウンスはありませんでした。
回復までの4ヶ月の間、たくさんの運転手に出会いましたが、車イスへの対応が的確にできたのは、わずかに2名。反対に文句を言われたり、車イスを乱暴に扱われることもあり、K子さんには大変辛い体験となりました。
バス会社によって大きな差がある乗務員教育
そんなある日、通院のため別の会社のバスを、利用する機会がありました。そのバスは世田谷の狭い街中を走る小型でスロープのない型でしたが、運転手は快く介助に応じくれ、とてもスムーズに乗り降りができたのです。ベビーカーに対しても同様に対応しているとのことでした。
また、八王子を走る別会社のバスを利用した際も手際よく対応してくれ他の乗客に対して、「今から車イスの方を乗せますので少し時間がかかりますが、ご理解をお願いします」、到着時には「ご協力まことにありがとうございます」というアナウンスが徹底されており、乗客の眼差しにも温かいものが感じられました。
バス会社によってこんなにも大きな違いがあることに、K子さんと母親は憤りを感ずると同時に、運転手の教育を徹底する必要性を、痛感しました。
車イスの方と一緒に、実際にバスに乗って調査しました
私たちはK子さんの話を聞き、この貴重な体験を、バス会社への改善提案につなげることにしました。そのために、車イスを使っている生活者ネット会員の協力を得て、実際にバスに乗車してみました。
はじめに当該バス会社のバスに乗りました。運転手は、スロープの出し入れには手馴れている様子でしたが、車イスを床に固定しようとせず、こちらから頼まなければなりませんでした。また、シートベルトもつけませんでした。他の乗客へのアナウンスはなく、乗り降りの介助も、ありませんでした。
次に別のバス会社のバスに乗ってみたところ、笑顔での言葉かけ、迅速で丁寧な車イスの扱い、車イスを降ろす時介助もしてくれました。
そこで、それぞれのバス会社に、研修体制について問い合わせてみました。当該バスの担当者は「車イスの扱い方講習会や体験講習会を年数回実施しているが、苦情もあり、十分ではないと思っている」、対応が良かったバス会社の担当者は「車イス対応の研修を実施している。月1回、会社からの連絡や乗務員同士の情報を共有する班会を設けている」との回答でした。両者とも研修を実施しているのに、なぜこのような差があるのでしょうか。
バリアフリーのまちづくりを進めるには、ハード面(施設整備)と共に、ソフト面を充実させることも重要です。
町田市をとおしてバス会社に改善を申し入れました
私たちは、町田市の都市計画課の交通計画担当者に状況を話し、町田市としてバス会社に指導などができるのか聞いてみました。担当者の話では、「町田市はバス会社を指導する権限はないが、市民からの苦情を伝えたり要望を出すことはできる」とのこと。
そして、私たちの改善提案を営業所長に申し入れてくれることになりました。
現在その結果について、町田市からの回答を待っているところです。次号に掲載する予定ですのでご期待ください。
| 市議会議員 吉村こずえの市議会レポート 3月議会〜一般質問より〜 |
こんにちは!吉村こずえです。
昨春、町田市議会議員としての活動がスタートし一年がたちました。選挙に掲げた政策と皆さんからの提案をもとに、毎回の議会で一般質問を行いました。その結果、学校図書指導員のマニュアルが作られ、市役所のグリーン購入リストに「石けん使用」が明記される等、成果が得られたものもありますが、まだ取り組むべきこともあります。今年度も元気に活動を進めていきます。
ぜひ皆さんのご意見を生活者ネットへお寄せください。
1 市民活動を財政的に支援するため「市民ファンド」の創設を
町田市には約120のNPO法人をはじめ子育てや環境などの地域の課題にとりくむ市民活動が盛んです。住みよい街づくりを進めるためには、これら市民活動の継続、発展がますます期待されています。相模原市には、市の助成金と企業や市民からの寄付による市民ファンドがあり、市民活動を財政的に支援しています。町田市でも同様の市民ファンドを
創設することを提案しました。
担当部長の答弁は、「NPO法人等を支援する中間支援組織を立ち上げることを視野に入れ、ファンドについては研究課題として受けとめる」とのことでした。
相模原市だけでなく横浜市にも同様の市民ファンドがあります。市民との協働を標榜する町田市としても早期に支援体制を整備するよう、さらに要望していきます。
2 町田市役所に女性管理職登用を
現在、町田市役所の部長級職員に、女性はわずかに一人(医療職)。事務職には女性部長は皆無です。市役所の中枢部に女性が全くいないことは問題です。市民ニーズに的確に応えるために、行政には女性と男性両方の視点が必要です。女性管理職(部長・課長・係長)の増員目標を設定し、※ポジティブアクションを実施することを求めて質問しました。
担当部長と助役の答弁主旨は、「職員アンケートを参考に人材育成基本方針をつくることを予定している」「男女平等と人材育成は重要な施策として、これまで同様に進めていく」とのことでした。
世界に目を転じると、第一線で活躍する女性たちの姿は、メディアを通してあたりまえの光景となっています。一方、日本の※ジェンダーエンパワーメント指数は75カ国中42位で、先進国では最下位。「女性は強くなった」と言われますが、企業・行政のトップ、議会など大事なことを決める場はまだ圧倒的に男性ばかり。
片方の性別の視点しかないことは、社会にとって損失です。「男女に能力差はない」(大手通信会社シニアアドバイザー)「女性の積極的登用をやる、やらないはトップの決断と勇気」(中小企業団体・理事)「ポジティブアクションは、魅力ある企業の条件」(経団連理事)。経済界からの発言です。ぜひ町田市においても、市長の決断と勇気をもって女性管理職を増員するよう強く要望しました。
※ポジティブアクション
固定的性別役割分担意識などから能力を発揮しにくい状況に置かれている女性に対し、その格差を是正するための積極的な取り組みを行うこと。
※ジェンダーエンパワーメント指数
女性がどのくらい社会の意志決定に加わっているかを測る指標。国会議員や専門職、管理職に占める割合、経済的自立などを比較した数値